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いちばんぼしにとどくまで

俳優の黒羽麻璃央くんのファンです

ぼくらが非情の熱海をくだる殺人事件

その他舞台観劇メモ 考えたこと

私が一番最初に日本演劇的なものに触れたのは、演技者。というフジテレビで放送されていたテレビドラマでした。

演技者。 1stシリーズ Vol.1 (初回限定版) [DVD]

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 これは、ジャニーズタレントが舞台で活動している劇団とタッグを組み、ふだん舞台で上演されている作品をテレビドラマにして放送してしまおう!というコンセプトのドラマです。松尾スズキの「マシーン日記」をV6の森田剛が演じたり、劇団TRASHMASTERSの「TRASHMASTRANT」をV6の坂本昌行とジャニーズJr.の長谷川純が演じたり、え!?そこ!?みたいなニッチでグロテスクな作品もあったりして、とにかくこれを最初に見た当時中学生の私は大層衝撃を受けたのでした。

 

いつもテレビで見る、キラキラした格好で歌って踊って面白いことをやっている、メジャーでかっこいい人たちが、よくわからないけど奇妙で恐くてエロくて、でも面白い、じめっとしたドラマをやっている!

 

この番組で知った劇団もたくさんありますし、のちにオリジナルが観たくなってジャニーズタレントが出演していなくても観に行った作品もあります。きっと私みたいな人、多いんじゃないかなー。

 

で、時は進んで2017年。2月と3月は、舞台「熱海殺人事件 New Generation」と、中屋敷法仁リーディングドラマ「ぼくらが非情の大河をくだる時―新宿薔薇戦争―」を観劇しました。どっちもすっごく面白かったのですが、この面白さって何だろう?って考えたときに、ふと「演技者。」のことを思い出したのです。

 

「好きなジャニーズが出てるから」という理由で見始めた「演技者。」と、「好きな若手舞台俳優が出てるから」という理由で観た上記2作、動機はいっしょだなぁと思って。

 

熱海殺人事件」、「ぼくらが非情の大河をくだる時」は、ともに1974年に岸田戯曲賞を受賞している作品です。脚本・演出も「熱海~」はつかこうへい、「ぼくらが~」は清水邦夫蜷川幸雄、日本人なら少なくとも名前くらいは聞いたことがある有名な演劇人たちです。だけど、私は今日までこの2作を観たことがなかったんですよ。

演劇って基本的には劇場に行かないと観ることができないし、そして劇場に行くほど演劇が好きな人ってほんの一握りじゃないですか。新しいお客さんがわっと参入してくることなんてたぶんほとんどなくて、演劇好きな人の間で名作がくるくる回っているような、そういうショービジネスなのかなって思っているんですけど。だから私も、この2作に出会うタイミングが今までなかったんですよね。

 

でも今回、私が好きな若手舞台俳優がどっちの作品も主演でやってくれて、だから観に行って、そしたらまーーーーめちゃくちゃ面白くて!

 

熱海殺人事件 New Generation」演出家の岡村俊一さんが、千秋楽後にこういうツイートをしていました。

 相変わらず語り口調が世界の真理を発見したかのような仰々しさで面白いんですが、まぁそれは置いておいて、みかてぃ~さん、多和田くん、まりおくん、文音さんが演じたことで、それまでテニミュや2.5次元舞台しか観たことなかったような女の子たちが、劇場に足を運ぶ、それって良いことだなーと思ったんですよね。

 

あと、まさに今日中屋敷さんが「ぼくらが~」のアフタートークで言ってたことも、なるほどなーって思いました。

 「熱海~」の犯人・大山金太郎は、口減らしのために家を追い出され東京でしがない工員をやっている青年。「ぼくらが~」の詩人・トオルは、学生運動に敗れ失意から気が狂ってしまった青年。二人とも、この平成の世の中では生まれ得ない存在です。その時の社会が色濃く反映されている。だから、演じている役者も、観ている私たちも、彼らの本当の気持ちなんて絶対に分からない。

だから「熱海~」では大山金太郎の登場時に「前前前世」を歌わせたし、「ぼくらが~」はストプレじゃなく朗読劇になったんだ、と思いました。どう頑張っても体感し得ない戯曲が生まれた「当時」にタイムスリップするのではなく、役者を媒介にして「今」の時代から「当時」を見る。そこに浮かび上がるのは、どの時代にも関係なくある不器用な愛の形だったり、哀しさだったり、若者の焦燥感だったり、誰かへの羨望だったりするわけです。

こうやって日本演劇は受け継がれていくんだなぁ…!ドキドキしました。

 

私はテニミュ2ndシーズンが大好きで、舞台おたくの道に足を踏み入れたきっかけがそこだったので、この2作品を後世に伝えていくために選ばれたキャストが2nd出身者ばかりだったのも、相当誇らしかったです。立海の幸村を演じた神永くん、柳生を演じたみかてぃ~さん、青学の手塚を演じた多和田くん、菊丸を演じたまりおくん。2014年の夏にTDCホールで決勝戦を戦い抜いた4人が、3年後、演劇界の新世代として大事な役目を担ってる!「頑張れ負けるな必ず勝て」を聴きながら号泣していた当時の私に、未来は明るいよ!!!って伝えに行きたい気持ちです。

 

これからも、彼らを入口にして、色んな名作に触れていけたらいいな~。

そんなことを考えた、三連休の終わりでした。

 

……あ、最後に、この2作に共通することもう一つだけ!

 

ビジュアルがかっけーーーーーすぎる!!!!!!

完全勝利S!!!!